2017.04.26
ファブラボ北加賀屋では新たなレーザーカッターを導入しました!
加工パワー加工面積ともに大幅に性能がアップしています!
レーザータイプ: CO₂
加工エリア: 610 x 305 mm
最大材料サイズ(高さ): 170 mm
レーザー出力: 30W
トロテックの使用に当たっては、会費とは別に以下の機材使用料がかかります。
機材使用料:500円/30分
レーザー加工用のノートPCを立ち上げた時から時間をカウントします。
なお、以前から使用していたGCCのレーザーカッターは加工パワーが弱くなってきましたが、
彫刻、及び紙などの薄い材料のカットを行うためのマシンとして利用していただければと思います。
こちらの使用に関しては、追加の料金はかかりません。
加工内容に応じて選択していただければと思います!
※今後機材をご利用いただくためには、機材ごとの課題を製作していただく必要があります。
トロテックの課題製作ページはこちらです↓
2017.03.30
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<3/31追記>
移行準備のため、1、2週目は休館となります。
以下の運用は4/17(金)から4/30(日)までとなります。
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【4月の運用について】
新システムへの移行期間として、4月の間は通常の機材予約を停止し、課題を製作する方向けに全てのオープン時間を無料で開放する予定です。
概要な以下の通りです。
・今後公開予定のチュートリアルを見ながら、利用を希望する機材の課題を製作してください。
・予約は不要です。直接ラボにお越しください。
・課題製作が終わった方は、機材が開いている時間は自由に使っていただいて構いません。
・通常の機材予約はできません。
・課題製作のサポートが必要な方は、指南が滞在する日曜10:00-12:00にお越しください。
・サポートできるマシンは当日の指南によって変わります。各日程の可能機材は以下のカレンダーをご確認ください。
なお、5月以降も土曜午前のオープンラボタイムでの課題製作は無料です。
以上、よろしくお願いします!
2017.02.18
こんにちわ。番頭の森本です。
現在ファブラボ北加賀屋では、世界中のFab Labを繋いで開催されるオンライン講座「Fab Academy」に、私を含む2名が受講しています。
(出来る限り)状況を随時レポートしていきたいと思っていますが、まずはFab Academyの概要についてご紹介したいと思います!
■概要
Fab Academyは元々MIT(マサチューセッツ工科大学)で行われていた授業の一つで、”How to make (almost) anything.” というコンセプトの元、ほぼ何でも作れるようになることを目指す半年間のコースとして設計されています。
講師はFab Labの創始者でもあるMITのNeil Gershenfeld教授で 、デジタルファブリケーション、電子工作、プログラミングを中心とした技術的な内容のほか、プロジェクトの協働、アウトプットの共有など製作の前後に当たる部分についても学びます。
現在はnodeとして登録された世界中のFab Labで受講できるようになっており、日本ではFab Lab Kamakura(Super node)、Fab Lab Hamamatsu、Fab Lab Kitakagaya、Fab Lab Kyushu Univ.で受講できます(2017年時点。随時変更アリ)。
Fab Academy 2017 Nodes & Supernodes
ちなみに本年度の日本からの受講者は鎌倉1名、浜松1名、北加賀屋2名の計4名。
全体では35か国、70ヶ所のファブラボから約260人のStudentsが受講しています。
授業では細かいところまで教えてくれるわけではないので、自学自習の占める割合が多くなりますが、各ラボのマスターやグルが技術的なサポートをしてくれます。
(北加賀屋の場合、マスター→しらいしさん/2015年卒業、グル→つださん/2014年卒業)
当然ながら授業は全て英語です。ディスカッションも提出する課題も全て英語で行わなければいけません。「バイナルカッター」ってなんやねん、て思いながら、ビニールカッター(Vinyl cutter)の話をしていることに気づくのに10分ぐらいかかったりしますが、こればっかりは逃げられないので頑張るしかないです。
そして、気になる受講料は$5000。
高っ!って思いますが、ローカルラボを含めた運営サイドの諸々のコストを考えると安いような気もします。トランプ大統領の当選を境に一気に15円ほど円安になり、心が折れそうになりましたが、泣きながら何とか入金しました。
■全体スケジュール
週ごとの課題(Weekly Assignment)に取組みながら、6月のプレゼンテーションに向け各自Final Projectを製作していきます。ちゃんと授業に出席し、Weekly、Finalともに評価基準をクリアしていれば晴れて卒業となり、年に一度開催されるFab Lab国際会議(FAB〇〇)でNeilから卒業証書を授与してもらえます。
ちなみに今年のFAB 13の開催地はチリのサンティアゴ。これまた遠い・・・。
$5000払った後に、渡航費(30-50万?)なんて出せるわけないやん、と思いつつ、せっかくなので行きたいと思っており、現在思案中です。
■一週間のスケジュール
基本的には毎週以下のようなサイクルで回っています。(北加賀屋の場合)
水曜
23:00~Global Review(Neilに当てられた人が、課題を発表する)
24:45~Global Class(Neilによる講義&次週の課題の説明)
金曜
13:00~Local Session(ファブラボ北加賀屋で課題の確認&製作)
月曜
23:00~Resitation (optional)(毎週スピーカーを招いて、様々なテーマについて話をしてくれる)
火曜
13:00~Regional Review (optional)(アジア地域のラボをオンラインで繋ぎ、全員順番に宿題を発表する)
授業風景
(この画面とNeilのデスクトップが見れます。
この時はラボで受けてましたが、自宅で受講することも可能です)
以上のような感じですが、イメージつかめましたでしょうか。
現在4週目の講義が終わったところですが、徐々にモノを作る量が増えてきました。
ラボで作業していることもありますので、来年受けてみようかなーと思っている方は、お声がけください。タイミングによっては、追い込まれて若干殺気立っているかもしれないので、その際はご容赦ください。
各回の内容についても、随時発信していければと思いますので、どうぞ宜しくお願いしますー。
2017.01.28
ラボで利用されている、レーザー加工機(GCC)は長年の利用から、発振器の消耗が進んでいます。 一部、加工時に安定的に出力されないなどの不具合が出ています。
■加工可能厚さ t3mmを超えると、一度ではカットできない部分があるようです。
■加工時間 長時間加工する場合、局所的に発振されない部分が出るなどの報告があります。 この問題を解決するために、現在、新しいレーザー加工機(trotec)のセッティングを順次進めております。 利用される会員皆様にはご迷惑を御掛けしますが、何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします。
2016.12.31
先日のブログにも記載しましたが、京丹後市で開催されたイベントの中で、Kinectでスキャンした上半身のデータと、
CADでモデリングした台座データと合体させて自身の胸像をつくる、というワークショップを行いました。
後日スキャンデータの修復作業を行っている際に想定外のクラックが見つかり、若干アタフタしましたが、いろいろソフトをこねくり回して、無事にデータを納めることができました。
せっかくなので、その際に行ったスキャン~データ修復の方法をまとめておきたいと思います。
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■3Dスキャン編
まずはスキャン環境について
機材:Kinect v1
スキャンソフト:Kinect Fusion Explorer-WPF
OS:Windows 7(64bit)
PCスペック:Intel Core i7 2.9GHz / メモリ8G / Intel HD Graphics 4000
Kinect Fusion Explorerの基本的な使い方は、こちらのページを参考にさせてもらいました。
「Kinect for Windows」を3Dスキャナとして活用する(MONOist) 」
テストした結果、Kinect Fusion Explorerを以下のように設定。
スキャン方法は、Kinectを三脚に固定した状態で、対象者が回転イスに座り、もう一名がイスをゆっくり一周回転させる、という手法。
Kinectと対象者の距離は50~60cmぐらい。
なぜか正面からスタートすると後ろ半分がスキャンされないという事象が起こりやすく、背中からスキャンを始めるとスムーズにいきました。
事前にラボで行った時も同様でしたが、理由は未だに不明。とりあえず全員背中側からスタートして一周回ってもらいました。
回すスピードが合わなかったり、途中で動いてしまったりするとデータが途切れますが、大体2~3回トライすると360度の3Dデータが取れました。
■データ修復編
このように対象物を回してスキャンしていった場合、いい感じのデータが取れたとしても、頭頂部や底の部分をはじめ、大小さまざまな穴がいっぱい空いているので、3Dプリンターで出力するには、それらを修復する必要があります。
①MeshLabを使ったデータ修復
スキャンデータの修復については、当初こちらの記事を参考にさせてもらいました。
「デジタルエンジニアリング演習 3Dスキャンしたモデルの編集①」
使っているソフトはMeshLabというフリーソフト。
まずはイベントの前にスキャンからデータ修復までのテストを行いました。
記事の通り作業を進めるものの、私が取ったスキャンデータのメッシュの数が多過ぎるのか、PCのスペックが低過ぎるのか、下部の選択→削除ができず。
そこで、先に「Quadric Edge Collapse Decimation」でメッシュ数を削減してから、下部を「選択」して削除、その後「Close Hole」で穴をふさぎ、それでも埋められない穴はMeshmixierの「Erase & Fill」で個別に閉じていきました。
何はともあれ、事前テストではそんな感じで無事穴埋めができました。
しかし、イベントでスキャンしたデータを同様の方法で修復しようとすると、以下のメッセージが出てうまくいきません。
拡大してみると、どうも体の前後をスライスするようにクラックが入っているもよう。
Meshmixierで開いてみると、よくわかります。
全員前後のどこかにクラックが入っています。現地でKinect Fusion Explorerの画面を見ている限りでは全然気づきませんでした。
とはいえ、もう取り直しはできないので、何とか修復していかなくてはいけません。
とりあえずMeshLabでの修復は一旦あきらめ、Meshmixerでの修復に切り替えました。
②Meshmixerを使ったデータ修復
Meshmixerで穴をふさぐには、主に、
「Analysis」→「Inspector」→「Auto Repair All」
「Select」で穴の周りを選択「Edit」→「Erase & Fill」
の2種類があり、大概の場合はこれで何とかなると思います。
ただ、今回のようにガッツリと面が分断されているデータで実行すると、
修復できない部分があったり(↓の青い線)、修復できても顔のところに筋が入ってしまったり、
あるいは、「Inspector」でスライス部を修復後、頭頂部に残った穴を「Erase & Fill」で修復しようとしたら、こんな感じになったり、
メッシュの数を削減したり、いろいろイジったりしましたが、どうにもスライス部分に道を阻まれます。
「Edit」→「Make Solid」が一番惜しいところまでいきましたが完全修復はできず。
造形士かリペア職人かというぐらい手間暇かけて手直ししていけば何とかなるかなと思いつつ、他の方法を試してからにしようということで、、Meshmixerでの修復も一旦棚上げ。
次は、まだ使ったことのない「Netfabb」か「Microsoft 3D Model Repair」でのトライを試みます。
③Microsoft 3D Model Repairを使ったデータ修復
「Netfabb」はいつの間にか、AutoDeskに買収されてたんですね。有料っぽいですが、Fusion360のような有難い状況になってるのでしょうか。
「Microsoft 3D Model Repair」も裏では「Netfabb」の機能が走ってるっぽいので結局一緒かもしれませんが、ソフトをインストールするのが面倒だったので、まずは「Microsoft 3D Model Repair」をトライしました。
すごいシンプルなこのサービス。
選択できるのはOPERATIONメニューのこの3つだけのようです。
Repair:データ修復
Reduce Faces:メッシュ削減
Convert:STL/OBJ/VRMLファイルから3MFファイルへの変換
使い方も非常にシンプル。
Microsoftアカウントでログインしたのち、ファイルをUPLOADしたら自動的にREPAIRが始まります。
あとはDOWNLOADをクリックするだけ。
1分ほどで完了したものの、出来上がるファイルが「3mf.」という新しいフォーマットのみということが判明。
今の環境では修復結果を確認できない上、このあと台座データとドッキングさせるので「stl.」に変換したい・・・
ということで、3mf.→stl.の変換を行うため、結局Netfabb(フリートライアル版)をインストールしました。
早速Repairした3mf.データを開いてみると、なんてことでしょう。
不自然な線が入ることもなく、キレイに修復されています。
素晴らしい。
「Part」→「Export Part」→「as STL」でstl.データに変換します。
それをMeshmixerで開くとこんな感じ。「Analysis」→「Inspector」でもクラックは検出されません。
何の前処理もせず、Low dataをそのまま突っ込んだのに、この修復力。素敵やん。
唯一気になるのは大きな穴を埋めた部分の粗さ。とりあえず埋めたって感じで、段差が目立ちます。
これに関してはMeshmixerの「Erase & Fill」の方が自然ですね。
ということで、ここだけ手直し。
「Sculpt」→「Brushes」→「Bubble Smooth」で段差を滑らかにしていきます。
こんな感じかな。
ほかにも気になる凹凸があれば、「Flatten」や「Inflate」で手直しをしていきます。
そして、「Edit」→「Plane Cut」で下のガタガタの部分をカットします。
その後、必要に応じてメッシュ数の削減を行います。
Meshmixerの場合は、
「Select」→「Edit」→「Reduce」
MeshLabの場合は、
「Filters」→「Remeshing, Simplification and Reconstruction」→「Quadric Edge Collapse Decimation」
今回はMeshLabで10,000前後まで減らしました。
そして、それを123D Designにインポートし、作成した台座とサイズを合わせて合体させれば完成です。
そんな感じで無事全員の胸像データができました。
■まとめ
いろいろ右往左往しましたが、
今回行ったデータ修復の手順は、以下の通りです。
①「Microsoft 3D Model Repair」でデータ修復(穴埋め)
②「Netfabb」で3mf.→stl.に変換
③「Meshmixier」でデータを手直し&底のカット
④「MeshLab」でメッシュ数を削減
4つのソフトを渡り歩いていますが、各ソフトをちゃんとマスターしたら、もっと減らせると思います。
好みの部分もありますが、個人的にはしばらく以下のような感じで使い分けようと思います。
・元データの状態がいい場合は、「Meshmixier」が仕上がりが自然で楽。
・「Meshmixier」でうまく修復できない場合は、「Microsoft 3D Model Repair」で修復後、「Meshmixier」で微修正。
・メッシュの削減に関しては、メッシュ数の管理がしやすい「MeshLab」が使いやすい。
・「Netfabb」はもうちょっと触ってみないとわからないけど、どれか一個って言われたら、これをマスターするのがいいじゃないか、と思う。
以上、アタフタした経緯をそのまま記載いたしましたが、
もしこれからスキャンにトライすることがあれば、ご参考いただければと思います!