期間限定!ファブラボ小豆島(四日目)

2014.12.18

出張ファブラボ4日目、今回担当をつとめるのは – 井上 – です。

 

まずは簡単に自己紹介から、

僕のFABLIFEが始まったのは、大学時代にまでさかのぼります。

大学時代研究室には、レーザー加工機、3Dプリンタがおかれ自由に使用できる状態でした。思えばそのころからずっとFABが身近にありました。よく切れるはさみやカッターみたいな感覚でしょうか?

そのあとは、コンピューテーショナルデザイン-デジタルファブリケーションを実践している Noiz Architects というデザイン事務所を経て、現在は京都工芸繊維大学D-LABという組織に所属して、デジタルファブリケーションルームの管理・運営をしながら、週末はFABLAB北加賀屋によく出没しています。

 

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これまで色んな場面で FABLAB というワードに触れてきましたが FABLAB という言葉をあらわすのにしっくりいった言葉を僕は知りません。(※個人的な意見です)

それは、 FABLAB の共通の思想となる受け皿が広大で、示唆に富んでいるからなのかもしれません。

国、文化、地域、治安、天候、運営者、利用者・・・。など様々な要因によって独自の FABLAB ができます。

日本に現在ある FABLAB だけでも、一つ一つが全然違います。(※FABLAB北加賀屋はどうなのかというと皆様ご自身の目で是非ご確認ください!) だからこそ面白いと僕は思っています。

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小豆島でFABLABを作りたい人たちってどんな人たちだろう? 小豆島でしかできないことづくり・ものづくりってなんだろう?  そんなことをわくわく妄想しながらFABALAB小豆島という今回のワークショップに参加しました。

参加前より、FABLAB小豆島では、最終的にボードゲームを作るということは決定していました。なのでボードゲームは吉岡夫婦にまかせて、僕はとにかく ものづくり をすることで FABLAB の可能性の一端を島の人たちに見せれればいいなと考えていました。

 

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前置きがながくなりましたが(笑)日誌 本編に移りましょう。

3日目にレーザー加工機が来たことで一気にプロトタイピングの加速度があがりたくさんの作品がFABバーで生まれました。FABバーで生まれた作品達をちょっと紹介します。

 

①FABバーに関わるもの

 

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レーザー加工機がきてはじめにやったこと。看板から料金表まで全部作る。実にFAB的ですね!

FABLAB小豆島のロゴはWeb上のチラシをそのまま加工して用いました。

 

 

 

②オリーブスプーン

 

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岩ちゃんの「オリーブの塩漬けを食べるときに専用のスプーンがほしい」って言葉からその バー にいる人達でブレストして、オリーブの葉をデフォルメしてデザインの大枠を作ることにしました。

ver1.0、とりあえずオリーブの葉より少しだけ大きくしたぐらいの大きさでモデリングして、3Dプリント。その場で岩ちゃんに使ってもらいました。 小さい、使いづらい、かわいい、こんなにはやくできるのね・・。などたくさんご意見をいただきました。Ver2.0に反映することにします。

ver2.0、オリーブの豆知識をいろいろ教えていただいているときに小豆島には、三種類(ミッション・ルッカ・ブランコ)の代表的なオリーブの樹があるということ、そのオリーブの葉にはそれぞれ特徴があるということを聞き、三種類のオリーブにちなんだ葉の形のスプーンを作れば面白いんじゃないとひらめいてすぐに製作開始しました。

ミッション ・・・ ルッカに比べて葉が細くて長い

ルッカ   ・・・ ミッションに比べて葉が太くて短い

ブランコ  ・・・ たまにハート型の葉がでる。(それをみつけるといいことがあると噂されている。岩ちゃん談)

 

 

 

③賽銭箱

 

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慈空さんからの依頼をうけて、賽銭箱をつくることになりました。 まずは要求をまとめました。

・結構たくさんの数の賽銭箱が必要になってくるということ

・島の資源が使われているということ

・片ながれの屋根っぽい雨どいが鳥につつかれてぼろぼろになってしまう。

・安定させたい、ある程度頑丈なつくりにしてほしい

ver1.0 要求をみたしながらなにかデザインする上で重要なポイントはなんだろうなと考えたときに、 賽銭箱 が 家 のモチーフと重なりました。そこから一気に発想がジャンプして、家 として作るのなら屋根は 瓦 使いたいな。小豆島は瓦屋根の古い街並みが広がっており、まず資源としてたくさんあるだろう。空き家なんかもかなりあるっていっていたし、瓦のリサイクルとしても使えそうだな。瓦だと鳥がつついてぼろぼろになることもないよね。「めちゃおもしろいすね!下の箱の部分は、そうめんの箱を使いましょう!」 みたいな声も上がり、即プロトタイピングしました。

慈空さんにみせると反応は上々、賽銭の文字を 浄財に変えたほうがいいかもしれませんねなど意見をいただきました。個人的には、瓦と箱とのフィット感をもう少しあげたいと思いました。

 

 

 

④レーザー加工前半

 

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何人もの人たちが、携帯・携帯ケースに刻印したのですが一番人気は、小豆島の地形の刻印と、馬木という現地の地名の刻印でした。 他の場所だと真っ先に自分の地名を刻印しようとする人はなかなかいないと思います。島民の地元愛を強く感じました。

 

 

 

⑤レーザー加工後半

 

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終盤に差し掛かるにつれて、材料の選定とロゴデザインを考えてきてこれを作りたいからレーザーを使いたいという方がどんどん増えてきました。こういうアクティブなかたがたが小豆島にすんでる潜在的FABLABユーザーになる方々なんだろーなと思いました。

以上作成されたもの達を個人的に分析して総括いたしますと、地元愛 というものがFABLAB小豆島を作るうえで非常にいい原動力として働くのではないだろうかと思いました。地元の方が地元のために なにか を作る? そのなにかを考える 場 をつくることが FABLAB小豆島の 役割の一つなのかもしれません。 MIYAさん5日目よろしくお願いします。

 

Photo: minasamagata

期間限定!ファブラボ小豆島(三日目)

2014.12.16

こんにちは。3日目担当の吉岡英俊です。

私は妻と夫婦2人で、紙や木、アクリルなど様々な素材を使ったアナログゲームを作成することを趣味にしており、ファブラボ北加賀屋では会員として色々な機材を使わせてもらっています。今回は小豆島を題材にしたボードゲームを滞在中に作り、最終日にそのゲームで遊ぶというワークショップを行うという役割を受け、ファボラボ北加賀屋のメンバーとして行ってきました。実際に島に行ってそこで見たもの感じたものを自分たちのゲームにできるという興奮と、それをたった数日でまとめて形にしなければならないという不安の入り交じった気持ちでした。ゲームについては最終日の報告に譲りたいと思います。

 

さて、初日の映画上映、2日目の池田小学校のワークショップ、と前半の山場を終えた3日目は向井さんの案内のもと小豆島の散策に出かけました。白石さんがお仕事の都合で早朝に一度島を離れられたので、津田さん、井上さんに私たち(吉岡)2人を合わせた4人が向井さんの運転する「んごんご号」に乗り込みました。

 

滞在先である坂手港のエリエス荘前から出発し、まずは午前中は山に向かって車を走らせます。山道に入り、段々と道が細く険しくなってきた頃に山林の中に開けたところが見えてきました。牧場です。向井さんの「牛見に行きましょうか」の声で車を停めて入り口に向かいました。 これは密かに驚いていた点なのですが、いわゆる観光向けの見学コースなどではなくて、こうしてふらっと普通のお宅に入っていってお話を聞いたりするのは私にとってはとても新鮮でした。牧場のご主人であるおじいさんの話につかまってしまい、結局牛を見ることができませんでしたが、まあそれもよしです。

 

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車に戻るとさらに山道を進みます。またしばらくすると開けた場所が見えてきました。 一心寺というところで、ずいぶんと趣のあるお寺です。さて、ここからは車を置いて山道を歩いて進みます。 この間、先ほどの牧場の犬のパピーが私たちの歩みについてきています。 ご主人様のお客認定でもされたのでしょうか、道案内してあげましょうといった様子です。

 

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しばらく歩いていると小豆島八十八カ所の一番霊場である洞雲山(どううんざん)の境内が境内が見えてきました。 八十八カ所というと四国のものが有名ですが、ここ小豆島にも島内に八十八の霊場があるそうです。 この辺りは軟質な石の層が削れてこのような特徴的な形状になったそうです。

 

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続けて道に沿って二番霊場である碁石山(ごいしやま)に向かいます。 ここでは、初日の映画上映会にも来て頂いていた住職の慈空さんにもお会いしました。 映画を見て頂いていることもありますし、さっそく何か作ってみたいものはないかと尋ねたところ、賽銭箱ができないかという依頼を受けました。ここの賽銭箱の多くは野ざらしになっているため雨風によって腐食したり、蛇が中に入ったりという問題もあります。中には山の斜面に祭られている仏様もあり足場のない賽銭箱を安定させるための工夫も必要そうです。もしファボラボが小豆島にあれば雛形さえできれあがれば、必要なときに必要な分だけ自分たちで作ったりすることもできますね。これはひとつ課題として頂いて帰ることにしました。

 

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さて、ここからはクライミングの時間です。石に手をかけ足をかけ、碁石山を登っていきます。 とても見晴らしがいいところで、港のあたりまで見渡せます。高いところが苦手な私は途中でそれ以上登ることをギブアップしてしまいましたが、頂上に座した津田さんなどはまさに何かのマスターのようです。ちなみにパピーはまだついてきています。

 

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クライミングの後は慈空さんのお誘いにより、鳳凰窟という洞窟状のお堂の中での読経のもとお祈りをさせて頂きました。そこは戸を閉めると外界からの光も入らない場所で、ここまで駆け足できた私たちの気持ちを落ち着かせることができました。そうはいってもお腹はすきます。すでにランチタイムにも幾分か食い込んでいましたので、ここからは今来た道を全力ダッシュで車を停めてあった場所に向かって戻ります。パピーとも残念ながらここでお別れ、さようなら、またね。

 

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昼食はポンカフェで頂きます。お友達の家にいったような、そんなとてもリラックスできるとても素敵な空間でした。ベジバーガーは野菜中心でもしっかりとした食べ応えがあり、とてもおいしかったです。店内にはちょうどオーナーの真鍋さんがいらっしゃったのでご一緒させてもらいました。 私たちの滞在中にもポンカフェには色々な方が来られます。ちょうど次に向かおうとしていた 真砂喜之助製麺所の真砂さんが届け物でポンカフェへ来られたので、そのまま一緒に向かいます。

 

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素麺は小豆島の名産品ということで、これはぜひとも見ておきたいもののひとつです。 製麺所内には今は吊るされた状態の素麺が室内にたくさん並べられていました。 時期柄、今は見られない製造工程についてはiPadの動画で見せてもらいます。 私がここで興味をもったのは節麺(ふしめん)です。節麺は麺を棒に吊るして干す時にちょうど棒に引っ掛かっていた部分で、製品にする際には切れっ端として取り除かれる部分です。しかしながら、切れっ端とはいえこちらも素麺の一部、味は変わりませんし、その上棒状の素麺とは違った食感が得られます。その場で生の節麺を試食させてもらいましたが、そのままでも塩気があっておいしかったです。帰り際にはお庭のレモン狩りもさせてもらいました。ありがとうございます。

 

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さて日も暮れる頃合いになってきましたので、そろそろ今夜のバーについて考えるように頭を切り替えなければなりません。ありがたいことに、この日もカウンターを埋め尽くすほどのお客さんが来られました。この日からレーザーカッターも稼働開始しました。わかりやすいところで、スマートフォンケースやノートにレーザーに彫刻をしてみます。彫刻されたのは「馬木」の文字、そうここ Umaki camp のある地名です。中にはスマートフォンに直接彫刻される剛毅な方もおられました。素麺の木箱の板にFabLab Shodoshimaの彫刻をしてバーの看板もできました。

 

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昨日のバーで話題に出ていたオリーブの食器にも進展が見られます。スケッチを元に3Dプリンターで試作品1号を作ってみたので早速試しにオリーブをすくってみます。うーん、上手くいったでしょうか。お客さんにも使って頂いて、もっとよい改良点があるならばまた作ればいいのです。一期一会なバーで明日への進展があるのもこのFabBarの面白いところだと思います。

 

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バーで出すお料理も基本的には私たちのほうで用意をしています。せっかくだから小豆島産の使ってみたいと思うわけですが、意外と近所のスーパーでなかなか見つけられないものでした。すると、バーのお客さんのほうから何かと差し入れを頂けることに。昨日の岩ちゃんのオリーブもそうですが、この日も佃煮屋さんの方からとっておきの佃煮をもらったり、そうめん屋さんの方から今日作ったばかりのうどんをもらったりと。素材をもらってその場で何ができるか考えるのは大変刺激的でした。もちろん、どう食べるのが美味しいかは教えてもらいながらですが。

 

というわけで、イベントが一段落したはずの3日目も終わってみれば盛りだくさんの内容となりました。 会う方会う方が独特な生き方を実践されており、向井さんの言っていた社会実験の意味が分かり始めました。 ここでは私たちだけでなく色々な人が、この島で何かをやろう、試そう、としています。 そして私たち(吉岡)の課題である小豆島を題材にしたボードゲーム制作に向けて、ひとつのキーワードとして「食」というのが挙ってきました。

 

続く4日目は umaki camp に留まり、本腰を入れて制作に取りかかり始めることになります。井上さん、よろしくお願いします。

無印良品グランフロント店ワークショップ報告

2014.11.29

こんにちは。番頭の森本です。

 

先般ご報告した通り、11/22,23に無印良品グランフロント店でレーザーカッターを用いてオリジナルノートを作るワークショップを開催しました。

 

簡単ですが、その時の様子をご報告します!

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今回のWSでは、あらかじめ用意した文字やイラストのデータを組み合わせて、表紙のデザインを考えてもらいました。

 

参加者の方に、サンプルシートを見ながら紙に描いてもらうという、いたってシンプルな方法です。

 

 

 

 

 

 

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サイズ、傾きは自由に変更可能。

文字、イラストの個数も制限なしです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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オーダーシートを元に、高速でデザインデータを作成するという、やや力技的な方法。

案の定、加工待ちのノートが溜まっていく有り様。お待ちいただいた方には大変申し訳なかったです。

 

 

 

 

 

 

 

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できあがりはこんな感じ。

ハイセンスな方多しです!

 

デザインを考えてもらい→データを作成し→加工する、までの流れは、今後いろんな方法を考えていきたいなと思っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

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完全にMUJIさんのパワーだと思いますが、途切れる間もなく沢山のお客さんに来ていただけました。

 

ウェブのイベント告知を見て来られた方より、当日買い物に来た流れで、参加された方のほうが多かったように思います。

 

 

 

 

 

 

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初日が結構大変だったので、2日目は松本さんにヘルプを依頼。助かりました!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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初日終了後、「忙しすぎて、めっちゃ汗かきましたわー。スポーツみたいっすねー。」と言いながら、翌日タートルネックのニットを着てくる井上氏。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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サンプルとして陳列していたノート。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「えーめっちゃかわいいねんけどー!」という、黄色い声が何度も聞こえました。

ダッシュで駆け寄りたい衝動を抑えつつ、オペレーション作業に集中。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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今回のワークショップで用いたお馴染みのファブフォント。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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ヘビーユーザーの方はお気づきかかもしれませんが、このサイン用にフォントを一部改変しています。

改変後のデータは、CCライセンスに則り後日公開します。

 

 

 

 

 

 

 

 

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ラボの展示もなかなか好評。

こちらも「かわいい~」コールが連発でした。

 

先ほどと違い、このエリアはPCで作業してる場所のすぐ横だったので、たまに猛ダッシュで駆け寄りました。

 

 

 

 

 

 

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おそるおそる触られるファブビークル顔モデル。

優しい子だ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 IMGP2978今回の展示の為に再生産したラボポスター

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

IMGP3008掲示方法が秀逸!(白石さん製作)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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あまりガチャガチャさせたくないという意図はあったものの、もうちょっと説明的な要素を用意しておいてもよかったかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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お話した方の中で「以前コーポの前まで行ったけど、怖くて入れなかった」という女性の方がいました。

それはまた別の問題かもしれませんが、このようなあと一歩踏み込めなかった方にラボの中身を覗いていただけたのはヨカッタなと思います。

 

 

 

 

 

 

 

ちょっとしたご縁から、ここまで発展した今回のイベント。

 

多くの方にご参加いただいた上、皆さん出来上がったノートを見て、もれなく喜んでいただけたので、

すごい手ごたえを感じました。

 

FABの世界にまだまだ可能性を感じる一方、もっと広くわかりやすく発信していく必要があるなと思いました。

 

今後も気軽にものづくりに触れてもらうイベントして、定期的に行っていきたいと考えています。

ベジっつら

2014.11.06

今回はプログラミングとカッティングマシンを使った作品を紹介いたします。

「ベジっつら」と名付けられた当作品の概要は「アプリで作った目口鼻の形にシールをマシンで切り取って野菜や果実に貼り付ける」というもので、シールを貼り付けると野菜たちが誰かへのちょっと特別な贈り物になったり密かなメッセージになったりといった小粋なことができてしまいます。

 

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制作者である竹田さんの手間がかけられているのはなんといっても顔パーツを作成するアプリで、顔のパーツを自由に選択・調整できる機能を提供することで個々人が手軽に好みの顔のシールを作成できます。喜怒哀楽といった表情や瞳の大小・メガネなどの特徴を加えて顔なじみの誰かさんっぽい野菜ができてしまうのがなんとも味わい深いところです。

{写真上: ベジっつらアプリ画面と出力品}

 

竹田さんは以前に「きみっポイド」という企画を手がけられております。個人の顔画像から抽出した目や鼻の特徴をダルマなどといった小物の三次元データに付加することで「なんだかキミの顔に似ている小物を3Dプリンタで立体化するよ」というサービスを提供する企画でした。この二作品、ウェブサービスやゲーム内で見られるアバターのように各々の趣向に合わせて調整したキャラクターを現実の品物にするという近しい要素を持っているものの、ベジっつらは3Dプリンタではなく野菜とシールでそれを実現してしまうあたりが端的ながら色々と機知に富んだ使い方ができて実に素敵です。今後の発展は竹田さんの中でも未確定とのことですが、今も様々な機材を動かしながら色々と企んでいる様子を見るに、面白い展開はまだまだ続きそうです。

{写真下: きみっポイド出力品}

 

入谷

3Dプリンタで組立式お茶碗

2014.11.03

今回は3Dプリンタによる作品を紹介いたします。
谷川さん作、「アウトドア用・組立式お茶碗」です。
かのキリマンジャロにてお椀で白米を食べられるよう作られたという、まことにスケールのでかい作品です。

 

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お椀の底とうわぶち、それらをつなぐ柱と留め具で構成されており、お米を受ける部分は写真内のアルミ箔ではなく断熱シートを張って使うとのことなので、これらのパーツはシートを支えるための骨組みといったところでしょうか。長期間にわたって持ち運んで使うとなると強度が気になるところですが、簡潔な作りと随所に使われている金具のおかげでなかなかタフそうです。

 

 

 

 

 

 

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既製品の登山用食器はどうかとお尋ねすると、形が四角くて合わなかったという返答をいただきました。用途が特別となるとなかなか気に入ったものを見つけられないのが常ですが、そんな時でも自分に合った一品を用意できてしまうのがもの作りですね。いざ使ってみると何かと気付かされることが多いのももの作りです。雲よりもはるか上にて使うお茶碗にどのような感想を持たれるのかぜひお聞きしたいところです。

入谷

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