【番頭リレーブログ#10】生木から作る超アナログものづくり

2016.08.16

番頭の根津です。

 

Fablab北加賀屋を知ったのは2~3年前だと思います。仕事で、製品の作製方法を調査しているときに、3Dプリンターと言うもので自分の設計した立体物が作れることを知りました。試作品を作るのにいいのではないかと思って調べてみると、Fablabというのがあり、3Dプリンターが使えるようだということがわかりました。しかし、結局仕事で使うことなく、頭の隅になんかひっかかっていたもの、Fablabに関わることはありませんでした。そんな時、番頭さん募集と言う記事を見つけ、関わるならガッツリ関わってみようと思い、今に至ると言う感じです。

 

私の活動を紹介します。
木は種類によって、硬い木、軟らかい木、色の濃いもの薄いもの、木目の違い、匂いの強いものなど、自然の多様性を身近に感じることのできる素材です。また、入手も容易で扱いやすい。素材として、木は非常に魅力的です。Fablabでも、例えば、MDFをレーザー加工機でカットして小物を作ったり、レーザーパワーを下げて表面に模様を描かせたり、小型CNCで立体彫刻を作ったり出来ます。また、大型CNCでは家具を作ることもできますし、3Dプリンターでも、木と樹脂を混ぜたフィラメントで、木の造形物を出力可能です。

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普通木工では、製材された木材を使用します。製材は、非常に時間と手間のかかる作業です。なので、私たちは製材された木材を購入しています。しかし、昔は切った生木を直ぐに加工していました。乾燥による経年変化があり、工業製品としては不適切なので、こういった技術は廃れていきました。近年欧米を中心にこれが見直されグリーンウッドワークと言う名前で技術が復興されています。日本でも、岐阜の森林文化アカデミーの久津輪氏を中心にグリーンウッドワークの普及活動をしています。

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Photo: Facebook 久津輪 雅

 

グリーンウッドは、生木のことで、切って直ぐに加工できます。生木は、水分を含んでいて、軟らかく加工しやすいです。使っていくうちに、経年変化はありますが、それが工業製品にはない味わいになります。また、その経年変化を利用して、椅子など接着剤など要らずに作ることができます。

 

グリーンウッドワークでは、削り馬に木を挟んで、銑と言われる道具で加工していきます。削り馬は、ハイジのお父さんも使っています。

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また、お皿などは、轆轤を使います。足で、轆轤を回して、刃物で削ります。現在でも電気式ですが、木工旋盤が使われています。足踏み式は、欧米で発達しましたが、日本では手回しの轆轤が使われていました。江戸時代まで、木地師と言われる木工を生業にした民が、各地を木を求めて流浪していました。ジブリの映画かぐや姫にも描かれています。移動しながらだったので、大型の道具は発達せず、小型の手回しを使っていたようです。

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Photo: Facebook 久津輪 雅

 

木はどんなものでも、利用できます。間伐材や剪定した枝、大きな木でも、大丈夫です。色々なものができますが、いくつかご紹介します。初めて、グリーンウッドワークで作った、ウソ。菅原道真を守った鳥として、各地で作られています。スプーン。実用的で手作りの良さを実感できます。

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Fablabとは違い、電気も使わない超アナログな活動を紹介しました。これから、fablabの装置と組み合わせていったりと、オリジナルな活動に拡げていけたらいいなぁと考えています。