Layer Zaisu Project

2014年10月16日

みんなでCNCルーターの使い方を勉強しながら、Layer Chairタイプの座椅子を作り、(できれば)品評しようというプロジェクトです。

Layer Chairとは、Jens Dyvik氏が開発された3Dデザインした椅子を2Dで切り出した板を重ねて作る椅子で、Dyvik氏が製作したドキュメンタリー映画「Making Living Sharing」でも紹介されています。  

今回の作品群は、製作ソフトや材料は、氏のLayer Chairの作り方とは厳密には異なりますが、そこから座椅子としてインスパイアされたものです。

 

<6月7日>

「CNCを使ってみよう会 & 参加者ミーティング」

1発案者の加藤さんから企画概要の説明。

その後、レギュレーション(材料、デザイン、製作方法…etc.)について、参加者にて打合せ。

 

 

 

 

 

 

2レイヤーチェアのサンプルデータを用いて、CNCルーターによる切り出しトライアルを行いました。

基本的な操作方法を共有しながら、デザインの要となる断面のキレイさ等を確認しました。

 

 

 

 

 

 

 

<~当日>

6名+1チームがエントリー。7月6日の七夕WS当日まで、お互いに知識や技術を共有しながら

各自デザイン~設計~製作まで行いました。

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<7月4~6日>

七夕WS当日、ユルト内にて展示しました。

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以下、製作作品をご紹介<50音順>

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①製作者:井上さん
座面が井上君の尻型になっているロッキング座椅子。座った姿勢の生尻をキネクトでスキャンし、3Dデータ化することにより作成。あまりにリアル過ぎて、何となく触れたくない感じがしますが、様々なテクノロジーを駆使した最もファブラボらしい座椅子かもしれません。(生尻をスキャンする羽目になった入谷さんには同情しますが)なお、座面部が交換できる構造なので、座面だけ好みに合わせて作れば、自分専用の座椅子として利用できます。

 

 

 

 

zaisu_2②製作者:入谷さん
おばあちゃんの為に作ったハートウォーミングなチェア。全体のサイズ感は勿論のこと、立ち座りの際に手が触れる部分の形状や大きさなどにも細かい配慮がなされたユニバーサルデザインチェアです。塗装も工程を省略することなく、かなり丁寧に行われていました。おばあちゃんを想う優しさと、座椅子を製作するという大会ルールを平気で無視するパンク精神が共存した作品です。

 

 

 

 

 

zaisu_3③製作者:加藤さん
通称「第3の脚」によって正座をサポートする座椅子。下部の隙間に足を入れることで、楽に正座することができます。自転車に乗り過ぎて太腿が発達し正座ができなくなってしまった可哀そうな加藤さん。それでも、この座椅子を用いれば問題なく正座ができるとかできないとか。トリッキーな形状ですが、東南アジアあたりのどこかの民族に伝わる伝統的な古道具として、こういうのありそうですね。

 

 

 

 

 

zaisu_4④製作者:兒島さん
材料の利用効率に徹底的にこだわった座椅子。一つの層を直線パーツと小さいパーツを接ぐ事で作製しているため、材料取りの効率が非常に高く、端材から作ることもできます。強度に配慮し、接ぐ箇所が異なる2種類の層を交互に重ね合わせる等、見えない所に仕込まれたワザが渋過ぎです。また、各層は接着されていないため、不要になれば別のプロダクトへの組み換えが可能。別途CNCで製作した座布団付きです。

 

 

 

 

zaisu_5⑤製作者:八登さん
「包み込まれる感覚」をモチーフにしたビッグサイズ座椅子。見た目のインパクトと重量に注目が行きがちですが、巨大な背座と手すり付きの構造により、ドカッともたれた時の安心感は今大会No.1ではないでしょうか。座椅子自体は頑丈なので、もたれた際にバキッと折れてケガをする心配はなさそうですが、床が抜けて座椅子ごと階下に落ちるのではないかという心配はあります。

 

 

 

 

 

zaisu_6⑥製作者:山本さん
This is layer zaisuといえる座椅子。脚が着脱可能なので、通常の椅子としても使用することができます。今回の企画が始まってから速攻で作り上げられたので、全員焦りましたが、お手本として他の参加者の設計の指針となりました。ここ数週間、足を取り付けた状態でラボ内に保管されておりましたが、作業用の椅子として何の違和感もなく使用されていました。

 

 

 

 

 

 

zaisu_6_1⑦製作者:ワークスチーム(森本、松本、阪本、宮﨑、花井
シュッとしたデザインの折り畳み座椅子。現代の生活スタイルや室内空間のデザインを考慮し、コンパクトに持ち運び、収納できること、そして折り畳み時の姿がフラットで美しいことにこだわりました。少し小さいように見えますが、これだけの面積があれば、座椅子として十分機能するという検証に基づいたサイズになっています。唯一のチーム参加でしたが、それぞれの知恵と技術とこだわりが結集した作品になったのではないかと思います。

 

 

 

 

zaisu_6_2こちらが折り畳んだ状態。この「ピシャっ」とした感じにこだわったようです。