Session#4 FAB WALKER : ティンカリングをはじめよう / Let’s Start Tinkering

Main

このワークショップは、メディアアーティストで、研究者でもある山岡潤一さんを講師に迎え、自身のアートプロジェクトとしても展開している「FabWalker」を開発経緯などコンセプトを深く学びながら、レシピを共有、キットを使ってのバリエーション展開をしました。
「歩き方」について考える学習用ロボットキットFabWalkerを使ってティンカリングやオープンデザインを学ぶこのワークショプは、身の回りにある物を使い拡張されます。このプロジェクトは作り方の公開や改変や通して、オープンデザインによる新しいものづくりを体験を共有することができます。

今回のワークショップでは枝やペン、その場にあるゴミや機械のパーツなどをロボットの脚として、付け方や素材に応じて歩き方を変えたり、ドローイングボットとしたり、センサを取り付けプログラミングを学んだり、1つのキットで様々な4足歩行ロボットを生み出しました。作られたロボットのレシピは「Fabble」で公開共有されています。

Report

ティンカリングとは、「家財道具を修理してまわった流しの修理屋(ティンカー)を語源に持つ言葉で、さまざまな素材や道具、機械を「いじくりまわす」こと」という意味で、Karen WilkinsonとMike Petrichが「 The Art of Tinkering」で紹介した言葉です。 開発された山岡さんは、自身のアートワークとしてキットを開発していますが、そこには上手な「余白」を残してありキットを使ったワークショップの参加者は創造性を掻き立てられます。私は今回のワークショップをサポートとして参加したのですが、参加者皆「大人」という状況にもかかわらず突拍子もないアイデアがいろいろ飛び出しました。コーポ北加賀屋に捨ててあったゴミのブラシを足にしてみたり、紙パイプを足にして「象」をイメージしてみたり、うまく歩けないことを逆手に取り、ボディーの上からドングリが転がるまでを一連の動きの中に入れてみたり、しまいにはスケートボードのウィールをつけて、転がるウォーカーを作ってみたり(ウォーカーじゃないかも…)。このようなアイデアを誘発するのも、上手に設定された「余白」がなせる技なのかもしれません。 FabWalkerはティンカリングの言葉の通り、「いじくりまわせる」ロボットという印象で、周りにあるいろいろなものを取り込み進化していく謎の生命体といった風体です。そしてその中に電子的な要素、コーデイングの要素、機械機構の要素がうまく織りなしており、学習キットとしてもかなり完成度の高いものとして使えると思います。 このプロジェクトが、開発者たちの手元を離れて、いろいろな場所に「散歩」している未来を想像すると、ちょっと不可思議で楽しそうな光景にワクワクしました。

(FabLab Kitakagya 白石)