Session#1b・2b アイガモロボット開発ワークショップ

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このワークショップはFabLab Hamamatsu TAKE-SPACEで開発進行中の「アイガモロボットプロジェクト」の一部分を、FabLab Hamamatsu TAKE-SPACE設立者で同プロジェクトメンバーの竹村真人さんを招き、ワークショップ化したものです。
FabLab Hamamatsu TAKE-SPACEがある場所は田園地帯の中の農作業小屋です。
除草剤に頼らない農法として、アイガモを田んぼに放して草を食べたりかき混ぜたりしてもらう「アイガモ農法」があります。飼育に手間のかかるアイガモに代わる除草ロボットの開発を目指してアイガモロボットプロジェクトは始まりました。

今回のワークショップでは、スクリプトで3Dモデルを開発する「OpenSCAD」というCADソフトウェアと、そのスクリプトをWeb上でシェアする「Thingiverse Customizer」を利用し、田んぼの状態に合わせたバリエーション検討を簡単に行えるパーツの開発を目指しました。
成果としてタイヤ型ロボットのタイヤパーツ及び、フロート型ロボットのプロペラカバーを開発・公開しました。
このワークショップを通じてオープンソースプロジェクトの公開方法や、プロジェクト開発者の参加を促す戦略をワークショップ参加者全員で考えました。

Report

私はアイガモ農法や当日使用したOpenSCAD、Thingiverseの使い方・モデルの記述言語を知らない状態でしたがこれらに興味があったためワークショップに参加しました。 一緒に作業するのは初めての3人が1チームとなって開発を行いました。

■成果 ・即席のチームでしたが得意分野(図面、コーディング、3Dプリント)の知識を持ち寄って形にすることができました。  最初のイントロダクションである程度スキルを考慮したチーム編成をしてもらったため、スキルが足りずに困ることはありませんでした。 ・OpenSCADでのモデリングの詳細が分かりました。  作成したプロペラフードのモデルデータはフードの内径や厚みなどの設計数値を変数化して変形・制御することが可能になりました。 ・Thingiverse Customizerを使って誰でもWeb上でモデルの形状を調整・ダウンロードできるようになりました。  Web上で設計数値の変更から形状のプレビューまでできるため、バリエーションの検討が簡単に行えるようになりました。 ・作成したデータを3Dプリンタを使って実際に出力し、開発中のロボットに乗せて形状を確認できました。  3D出力時の精度設定を変更して推定完了時間がワークショップ内に収まるよう工夫しました。

■気づき ・OpenSCADはスクリプトを記述することによってモデルを作成する方式のCADでプログラミングの基礎がわかる人には、入門しやすいと感じました。反面、すべてスクリプトで記述するため、複雑な形状は記述量が増えて理解が難しくなる面もあると感じました。 ・Thingiverse上で変数名を他人に解りやすく記述するなど、オープンなデータの共有時に特有のノウハウがあると感じました。 ・既にシェアされている類似した形状のスクリプトを読み解くことでモデル記述方法の理解が早まり、オープンソースの良い点を体験できました。 ・さらに完成度の高いモデルにするには機械設計の高度な知識を持っている人に成果物を見てもらうなど更に多くの人を巻き込むことが有効だと思いました。

(FabLab kitakagaya 萩原)