【番頭リレーブログ#3】カスタマイズのためのプラットフォームづくり

2016.06.24

ファブラボ北加賀屋番頭のかしわぎです。
ラボでは主にビルドケットというけん玉を作っています。
「青春あるでひど」という科学のポッドキャストを10年くらい毎週更新していたりもします。

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けん玉は日本生まれの伝統玩具です。
学校などでも知育玩具として使われるので、ほとんどの日本人は遊んだことがあると思います。
2010年ごろからアメリカでも大流行し、逆輸入もあいまって日本でも人気が再燃しています。
けん玉が現在の形になったのは、およそ100年前の大正期、広島県呉市。
このとき、けん一本、皿三つになったようです。

 

さて、この100年の歴史を持つけん玉の形。
完成していると思いますか?
もう変える余地がないと思いますか?

 

私はそうは思いませんでした。
玉をけんにさす、とめけんという技があります。
十人いたら、一人か二人くらいしかできないでしょう。

 

十人のうち五人、とめけんができるけん玉を作ることはできないか。
十人全員、とめけんができるけん玉を作ることはできないか。

 

「そんなの作ったら、けん玉がおもしろくなくなってしまう。」

 

はたしてそうでしょうか。
私はそうは思いません。
もっと難しい技に挑戦する、そういう遊びにシフトするんだと思います。

 

道具の進化は遊びのステージを変える。
けん玉を自分の思うままに作り変えられるものにしたい。
私にとっての「パーソナル・ファブリケーション」 (個人的なものづくり、多品種少量生産型デザイン)はここがスタートラインでした。

 

ネット検索でファブラボを発見し、私の作りたかったものは現実の形になりました。
ビルドケットは、レーザーカッターでMDF板を切断して作ります。
設計図は平面なので、作図もかなり簡単です。
これからは、どうやってみんなにカスタマイズしてもらうかを考えていきたいと思っています。

Fabble ビルドケット (Buildoquet)

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【番頭リレーブログ#2】ものづくり-ことづくり-ものがたりづくり

2016.06.17

FABLAB北加賀屋の番頭の井上です。
番頭歴は2年目 色々 ものづくり ・ ことづくりをしてきました。

これまでしてきたことの一部を書き連ねようと思います。

 

●デジタル民族楽器ワークショップ

Digital Folk Instrument WorkShop from Tomohiro Inoue on Vimeo.

 

2015年6月7日にFABLAB北加賀屋において FABNIGHT#11 ”科学技術と民族楽器の融合” と題して、デジタル民族楽器をつくるワークショップを開催しました。

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民族楽器を鳴らす、あるDJさんに出会うことからこの物語は始まりました。民族楽器という分野を、ファブラボやメイカームーブメントの側から考えてみる。昔は、民族楽器を つくる人 と 演奏者 は近しいものでした。 いまは、ショップにいけばなんでも買うことができるようになりました。
大量生産によるつくり方のブラックボックス化が、二者を分断することにつながりました。それは楽器の自由度を制限し、ひいては 音楽の豊かさ を奪う行為になっているのではないかと考えました。

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3Dプリンタなどのデジタルファブリケーションはものづくりのハードルをさげました。
現代のツールである3Dプリンタで、現代の民族楽器をつくる。そのデータがネットの波にのって、まただれかつくる人がでてきて、その地方独自のデザインに改変されていったら、現代の民族楽器になるのかもしれません。

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実際の演奏者との対話を通して、プロダクトを完成させました。
その後、ただつくったものをPRするだけではなくて、それをつくることができ、演奏することができ、楽しむことのできるワークショップを仕掛けることで、その ものづくり は、 また違った展開をみせました。

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ひとりの創作活動が、人を巻き込みながらチームを形成することで、それがムーブメントになりました。
その活動は広がりをみせて、YouFab Global Creative Awards 2015にてファイナリストに選出されたり、PaperC(no.011)に掲載していただいたり、トークイベントにてお話しすることにつながりました。

 

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Fabble デジタル民族楽器のつくりかた

 

 

●Cutting&PaintingWorkshop

Live cutting & painting workshop from Tomohiro Inoue on Vimeo.

2016年5月には、WHITE HOUSE にて Cutting&PaintingWorkshop を開催しました。
海の家とその地域の地場産業(泉州タオル業者)をデジタルファブリケーションの力を使ってつなぐプロジェクトです。

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海の家にレーザーカッターが常駐してあれば、バスタオルや上着に模様をカットして気軽に日焼けアートが楽しめるかもしれない。
そんな発想を出会う人々に話していたら共感する人がでてきて、その人が知り合いに話し、そこでまた面白いと思う人がいて。。。と、点と点が線になって、いつのまにかプロジェクトの輪ができあがりました。
ついには、地場産業も巻き込んで、一緒に試作したりしながらワークショップに落とし込むことができました。

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ひとりでつくることから、誰かと一緒につくることにより、全く知らない景色をみることができました。
ひとり より ふたり、さんにん より よにん、プロジェクトの輪を広げていくことでムーブメントを起こすことができます。

一緒に おもしろいこと しましょう!

【番頭リレーブログ#1】失敗しながらのモノ作り

2016.06.10

Fablab北加賀屋番頭のイトウです。
Labでは12面体スピーカや、CNCフライス盤コントロールボックスをせっせと作っては自宅の居住スペースを狭くしています。
えんや(演磁日亜長屋)ではmbedを担当しています。

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Labに行っても、仕事でも常にCADで図面ばかり描いていて飽きないのかと能く言われていますが、全く飽きません。私の中では全く別物で欲しいものを想像しながら思いながら描くので、楽しくて仕方がないのです。
何より即出力することができる設備がLabにはあるので、今度はあれ作ろうと日々思いながらアイディアノートに書き加えています。
このノートですが、もう何年もオキナ株式会社のプロジェクトノートに赤のサインペンで描くことにしています。
アイディアはノートの片側(右)を使うにしています、もう片側(左)は作り始めた時に使うからです。
以前は黒色の鉛筆でしていましたが、たまたま筆記具が赤色のサインペンしかなく使い始めたのがきっかけでしたが、思いのほか頭で考えている事が直接描ける様な感覚が気に入って現在に至っています。
どうも、人間の目が赤色に対する感度が高いそうなのでそれが影響しているのかもしれません。
怪しくて奇想天外な変なモノが書き連ねてあってとても恥ずかしくて、とてもお見せはできませんが…。

 

Labの機材は時間貸しではありませんが、優先的に使用するために予約できるコマ数が決まっています。
加工データーをある程度用意していかないと、慌ててしまうので用意していくのが常なのですが、大体用意できるのは行く前夜になってしまいます。
いざ加工を始めると不具合が発生します。
一例としてLabで一番大きな機材のWood Packerの場合
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私の確認不足で暴走(?)してしまいました。
CAM上のシミュレーションでも表面化しない不具合ですがこれに関しては、対処方法を確立しているので今では事前に対応できています。
失敗していますが、自分で使うものですし何より仕事と違って結果に対し評価を気にする必要がないので、ガンガン作って完成させる!勢いは大事にスタート前の確認作業は倍にしています。

結果よりも、苦い思いを繰り返したプロセスを大事にしたいと考えます。
Labメンバーと情報のShareをすることでLearn・Make・Shareのサイクルがスタートするのだと思います。
聞けば教えてくれますが、そこはgive and takeが基本ということを忘れてはいけないですし、教えてもらった情報はその方が努力した結果なのだから。
お互いに成長できるようにしましょう。

 

番頭リレーブログをはじめます。

2016.06.10

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FabLab北加賀屋は現在、有志である17名の番頭によりラボ運営をしています。

この17名、番頭ではありますがFabLab北加賀屋の一会員であり、それぞれ個別、もしくはチームで様々なものづくりをするメイカーです。

 

そこでFablab北加賀屋でのものづくりや雰囲気、番頭メンバーの得意分野などを知っていただくために、番頭がどんなものを作っているかを紹介するリレーブログをはじめます。

 

テーマは「○○づくり」

 

あえて、ものづくりだけに限りません。
環境やコミュニティ、情報などなど、様々なもの・ことをつくり出すことをテーマにしたいと思います。

 

個性豊かな番頭メンバーが週替わりで記事を掲載します。

すでに読むと自分も何かを作ってみたくなるような記事があがってきています。

毎週金曜更新予定です。ぜひご覧ください!